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一体今日は晴れているのか雨なのか、暖かいのか寒いのか。

そんなわずかばかりの期待をしながらドアノブをガチャリと回して外の世界と対面する。

淀んだ室内にやんわりとした風が入り込み、すぐさま眩しい光が目の前を照らし出す。

空を見上げれば小さな雲がゆるりと流れているのみで、日差しは周囲の陰影を
はっきりと映し出すほど力強い。

そうかと思えば風が伝える温度は意外と涼しく、まだ夏は来ないのであろうな などと考えていると
涼しい風の中にどこか山のような香りが混じっているのに気がついた。

コンクリートの階段を降り、アスファルトの歩道を進む。 大きな影を落とす無機質な建物と充満する排気ガスに
鳴り響くエンジン音。  毎日通るこの道も今日は少し歩みが軽い。

もう一度上を見上げながらこの空はどこへ通じているのか思いを馳せてみる。

山もいいが青い空には青い海が似合う。 天気が良いなら寄せては返す波の行方と
どこを見つめているのかついにわからぬ空の彼方を比べて
同じ青でもどちらが広いかどちらが遠いか。

そんなことを一日中でも考えていたい。

ホームの改札を通り階段を一段づつ登る。 平らな道では引き返すことも曲がることも自由に出来る。
しかしながら階段を登る時というのはいつだって下から上へと必ず前に進むことになる。

一度登り出したら途中で降りることもどこか脇道へ逸れることもまかりならない。

登山や自らの選択に通じた覚悟や責任がそこに存在している。

今日も進むと決めたからには一歩づつ登らなければならない。
このまま進めば引き返すかどうか結論を出す前には登りきってしまう。
悩めば悩むほど歩みは重みを増すのだけれど立ち止まるまではいかない。
あぁ、今日もこうして日常が始まるのか。 こんな日だというのに私には何の関係もないのだろうか。
感じたり思ったりすることは最早邪魔でしかなく、動いて食べて寝ることのためだけに今日も過ぎていくのか。
私はそういった活動をすることによって私たりえるというわけなのだろうか。

そうやって下を向いていたのにもかかわらず、先日手に入れた頑丈な履物は階段を踏み外した。
やや体勢は崩れたが、倒れるまではいかなかった。
ただ、体は横を向いている。 そして立ち止まっている。 人々は目の前を通過していく。

ホームに到着したらしい電車から降りてくる集団が階段上方にさしかかる前に
私は一段飛ばしで駆け下りた。



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実は、誰のためでもなく自分のために、
自分の理想をネットに投げつけて満足している。
そういうヒトの思考成長記録。

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